こんにちは、防災母さんです!
2022年11月、「上級救命講習」を受講しました。
今回の講習は9時から17時まであり、講義と実技とテストが行われました。
午前は以前受けた成人向けの「救命講習講習Ⅰ」と内容が同じでした。午後は小児、乳児向けの救命講習と一般の応急処置講習があり、実技と筆記のテストが行われました。
午前の講習内容については以前の記事に書きましたので、今回は、午後の講習で学んだことと私の感想をご紹介します。
なお、午前の講習内容について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
上級救命講習を受けた理由
私は2022年9月に「普通救命講習Ⅰ」を受講しており、「防災士」の資格を取得するための必須講習を既に受講しています。ただ、成人向けの救命講習だったため、機会のある時に、子ども向けの救命講習を受講したいと考えていました。
子ども(乳児や小児(小学生から中学生まで))向けの救命講習は、「普通救命講習Ⅲ」と「上級救命講習」がありますが、「普通救命講習Ⅲ」は、子ども向けの救命講習のみで、また、「防災士」の資格を取得するために必要な講習の対象にはなっていません。
これに対して「上級救命講習」は、成人と子ども(乳児や小児)の救命講習となっています。また、この講習は、「防災士」の資格を取得するための救命救急講習の中の1つとなっています。
こちらなら、私が前回受講した、成人向けの救命講習「普通救命講習Ⅰ」の復習にもなると思い、「上級救命講習」の受講を決めました。
なお、本講習は、お住まいの地域の消防署に問い合わせをすると、講習の開催日時を教えてもらえます。また、インターネットでも申し込みが出来ます。
今回は無料で受講することが出来ました。

「小児」というと、「小学生」と思ったのですが、救急救命講習では、「小児」は「小学生から中学生まで」が対象になります。
今回学んだことと感想
今回受講した「上級救命講習」は、消防署の指導員の方から教えていただきました。
以下、教えて頂いたポイントをまとめたのでご紹介します。
小児や乳児の心停止について(講義)
(1)乳幼児突然死症候群(SIDS)
乳幼児突然死症候群(SIDS:しっず)は、何の予兆や既往歴のない乳幼児が死に至る原因がわからない病気で、窒息などの事故とは異なります。
SIDSの予防は確立されていませんが、以下の3つのポイントに気を付けることで、発生リスクを下げられると言われています。
【乳幼児突然死症候群(SIDS)~厚生労働省資料より抜粋~ 】
「あなたが救える命のために」より引用。
➀1歳になるまでは、寝かせるときはあおむけで寝かせましょう。
②出来るだけ母乳で育てましょう。
③たばこをやめましょう。
(2)家庭での乳児・小児の事故
家庭での乳児・小児の事故は、周囲の大人が十分注意することで予防できます。
子どもを取り巻く環境を見直し、大人が過信することなく、事故を未然に防ぎましょう。
【不慮の事故例~消費者庁ホームページ「子ども安全メール」より抜粋~】
「あなたが救える命のために」より引用。
➀交通事故…電気自動車などの接近に気が付かず、道路に出て、ひかれそうになった。
②溺水…入浴中、親がシャンプーしている間に溺れた。子どもは静かに溺れると言われています。
③窒息…寝返りを打ったところ、ブラインドの紐が首に絡まった。
④誤飲…ジェルボール洗剤をかじり、呼吸困難、意識障害を起こした。
⑤火傷…スマートフォンを置いた上に子どもが寝てしまい、触れた部分に低温火傷を起こした。
⑥転落…ベランダに置いてある室外機を踏み台にして、下を見ようと身を乗り出し転落した。

子どもの場合は、昨日出来なかったことが今日出来るようになることによって、事故が起こることが多いと言われています。事故が起きてからでは遅いので、子どもが小さいうちは、大人が注意しないといけないですね。
AEDを実際に使用した応急手当(実技)
AEDを使った小児・乳児の応急手当は、以下の流れで実施します。
今回の講習は、未就学児モードに切り替えることが出来るAEDで、応急手当の実技を受けました。
①反応の確認・・・両肩をたたき、「大丈夫?」と反応を確認します。
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②助けを呼ぶ・・・119番通報とAEDを手配します。
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③呼吸の確認・・・10秒以内。呼吸をしているかどうか様子を見ます。
(迷う時、分からない時は、胸骨圧迫から開始します。)
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★④胸骨圧迫・・・30回。心臓の位置を見定めて、強く、速く、絶え間なく、圧迫します。
↓
(人工呼吸・・・2回)
(子どもの場合は、特に、人工呼吸を行うと効果的です。ただし、感染症リスクがある場合は止めます。)
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⑤AED到着・・・最優先で使用します。貼り付ける位置を確認します。汗は拭き取ること、貼り薬があれば剥がすこと、心臓ペースメーカーがあれば離すこと、ネックレス等があればたくし上げることなどに注意します。
↓
⑥電気ショック・・・AEDが心電図解析して、必要となれば、電気ショックが傷病者にかかるので、その時は、誰も傷病者に触れないようにします。
↓
★④胸骨圧迫に戻ります。救急隊が到着する、または普段通りの呼吸が戻るまでは、胸骨圧迫を継続して行います。
より詳しく知りたい方は、今回の講習資料「あなたが救える命のために」に記載されていますので、参考にして下さい。

未就学児の場合、もしAEDの未就学児用のパッドやモードがなければ、成人用を使うんですね。「大は小を兼ねる」ようです。
AEDの実技と筆記のテスト
(1)実技テスト
成人のAEDの応急手当の実技のテストがありました。
「いつ、どこで、誰が、どうした」のような状況の説明があり、それに対して、どのようにAEDを使って救命するのか、テストが行われました。
3人1組のグループを作り、指導員が1人ずつ採点していく形式でした。
グループ内は同じ問題なので、もしも前の方が間違っていて、自分の時に、慌ててそれと同様にやってしまうと、間違ってしまいます。
いくつかの項目で、指導員のチェック項目があり、出来ていないと、減点となります。
私が何点だったかは、わかりませんでした。ただ、一通りテストが終わってから、受講生全体がどの項目で間違えてしまったか、それに対する答えを教えてくれました。
(2)筆記テスト
問題が表に10問、裏に10問あり、それに対して、正解は〇、不正解は×で答えました。
ちなみに私は19点でした。20点満点の方が19人中4人いました。
テストは、救命救急講習を聞いて、ある程度内容を理解すれば、合格できると思います。
ただ、時間が10分しかないので、ゆっくり考えて答えるというより、即答して、最後の問題に間に合うような感じでした。
テスト用紙は、指導員が添削して、一旦、受講生に見せてもらえたのですが、すぐに指導員に返したので、受講生の手元には残っていません。
実技と筆記テストは合格ラインに達しないと、講習が終わってから、居残り補習になると言われていました。

実技のテストが終わってから、採点してもらった指導員の方から、「テストの時、緊張してたね。」と言われました(汗)。やはり、居残り補習は避けたいですよね。(笑)
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職場でAEDの導入や買い替えを検討されている方は、以下の記事が参考になります。
気道異物除去について(講義と実技)
成人、子ども、乳児の人形を使った指導があり、その後実技もありました。
(1)反応がある場合
【 成人・小児(1歳から中学生まで)】
・まずは咳をするように促します。
・声が出せない、うなずくことしかできない場合には119番通報します。
・背部叩打法(はいぶこうだほう)を実施します。
・腹部突き上げ法(←妊婦・乳児には出来ません)を実施します。
【 乳児(1歳未満)】
・苦しそうで顔色が悪い、泣き声が出ない場合には119番通報をします。
・背部叩打法を実施します。
・胸部突き上げ法を実施します。
(2)反応がない場合
・すぐに胸骨圧迫から開始して、心肺蘇生を行います。AEDも依頼します。
・心肺蘇生を行っている途中で異物が見えたら、取り除けるものは取り除きます。ただ、無理に取り除こうとすると、返って押し込んでしまう恐れがあるため、探すようなことは止めましょう。

人形を使った指導だったので、わかりやすかったです。
ファーストエイドについて(講義)
傷病者管理法
急なケガや病気をした人を助けるために、救急車が来る前に取る行動をファーストエイドといいます。➀人の命を守る ②傷病の悪化を防ぐ ③苦痛を和らげる、などの効果があります。
(1)体位管理
傷病者に心肺蘇生の必要がある場合は、仰向け(仰臥位:ぎょうがい)にします。
傷病者の反応がなくても、呼吸があり、吐物などによる窒息の恐れがある場合は、横向きに寝た姿勢(回復体位)にします。
(2)止血法
血の出ている所にハンカチやタオルを当てて、手で押さえ、圧迫し、傷口を心臓よりも高くすることで止まりやすくなります。
ゴム手袋がない場合は、レジ袋やビニール袋に手を入れて、中から押さえると感染予防になります。
(3)熱中症
熱中症の応急手当として、涼しい場所へ移動し、衣服を緩め、安静に寝かせます。
エアコンをつける、扇風機、うちわなどで風をあてるなどして、体を冷やします。
首回り、わきの下、太ももの付け根、足首などを冷やすと効果的です。
(4)捻挫、打ち身、骨折
レジ袋の両サイドを切って、底は切らずに、肩から掛けて、サイドから手を通せば、腕を固定できます。
レジ袋の底には、新聞紙を下敷きにして、入れます。三角巾やネクタイなどで、関節を固定します。
足を固定する場合は、ダンボールを下敷きにして、その上にタオルをのせて、さらにその上に足をのせて、三角巾などで固定することができます。
(5)やけど
やけどはすぐに冷やすことにより、悪化することを防ぎ、治りを早めます。
服の上からでも、水道の流水で痛みが和らぐまで10~20分程度冷やしましょう。
化学薬品の場合は、服を脱がせましょう。ただ、やけどの範囲が広い場合は、冷やし過ぎると体温が下がってしまうので、出来るだけ早く医師の診察を受けるようにしましょう。
また、水ぶくれができたら、つぶさないようにやさしく冷やしましょう。

反応のある傷病者には、勝手に体位を変えてしまわずに、声掛けをしてから行ってください、と言われていました。
傷病者運搬法
傷病者を搬送する方法の映像を見た後、指導員の方(2人)が実際に手本を見せながら、指導していただきました。
(1)従手搬送(1人)
背部から後方移動する方法で、脇で抱えて、後ずさりしていく方法です。
(2)従手搬送(2人)
ヒューマンチェーンを作って手を組み、前後を抱えて、安全に搬送する方法です。
(3)背負い搬送(1人)
おんぶで搬送するという方法です。
(4)毛布による担架搬送(2人)
毛布をじゃばら折りにして、搬送する方法です。

女性1人で傷病者を搬送するのは難しそうだと思いました。もう1人救助の人がいれば運べると思います。安全に、楽に運ぶことが大切ですね。
まとめ
今回は、「上級救命講習」の講習内容についてご紹介しました。
この講習は、成人、乳児、小児全般の救命講習だったので、前回「普通救命講習Ⅰ」を受講した時よりも、さらに救命できる自信がつきました。
指導員の方から、自宅で胸骨圧迫の練習をするために、空の炭酸のペットボトル(500ml)を用意し、それを横に倒して、真上から押すことを取り組むとよいと言われていました。
ただ、時間が経ってしまうと、どうしても忘れてしまうので、定期的に講習を受講した方が良さそうです。

帰りに、指導員の方から、上級救命講習修了証を受け取りました。その時に「また、講習を受けに来て下さい」と声を掛けていただきました。
講習は丸1日と長い時間でしたが、講義と実技、テストもあり、大変勉強になりました。
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防災士試験に向けて試験勉強をされている方は、以下の記事も参考にしてください。
これから防災士試験に挑戦しようかなと考えている方は、以下の記事も参考にしてください。
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