こんにちは、防災父さんです!
・ピアノの地震対策はどうしたらいい?
・ピアノの転倒防止はどうしたらいい?
・ビアノの耐震グッズは何がいい?
地震による家具の転倒防止対策の中で、何かと忘れがちなのが、ピアノですね。
ピアノは、大きく分けて、
✔︎ アップライト(縦型)ピアノ
✔︎ グランド(平型)ピアノ
✔︎ 電子(デジタル)ピアノ
の3種類がありますが、お部屋の中で1番重く、お子様が使うケースが多いので、地震が起こると大変危険です。
また、一般的な家具とは違い、
✔︎ 形が複雑で固定しにくい
✔︎ 高価で傷つけたくない
✔︎ 音色を落としたくない
など気になる点が多く、簡易な家具転倒防止方法が適用できないことから、耐震固定がやりにくくなっています。
そこで、この記事では、ピアノ専用に開発された転倒防止器具を一挙ご紹介します。
中でも、情報の少ない電子ピアノの転倒防止グッズについて、詳しく解説しています。
また、お使いのピアノに合わせて、どのように選んだら良いかについても解説します。
これを読めば、今まで手が付けられていなかったピアノの転倒防止対策が、ササッとできるようになるでしょう。
それでは、早速、行ってみましょう!
地震が来るとピアノはどうなる?
そもそも、大きな地震が来ると、ピアノはどのようになってしまうのでしょうか?
ピアノの地震対策を考える際には、地震の揺れでピアノがどうなるのか把握しておくことが先決です。
なぜかというと、どうなるか分かっていないと、どのような対策をしたら良いか判断が付かないからです。
大地震の時のピアノの挙動はどうやって確認する?
では、大地震の時のピアノの挙動はどうやったら確認できるでしょうか?
大地震の時のピアノの挙動を撮影した映像があれば良いのですが、そのような都合の良い映像は見当たりません。
でも、大丈夫です。
過去の大地震を再現した時のピアノの挙動は、ピアノ転倒防止器具の耐震試験の動画の中で確認することができます。
ピアノの耐震試験の分かりやすい動画がYouTubeで公開されていましたので、ご紹介します。
この動画で耐震試験されたピアノ転倒防止器具は以下の3つ!
① ニューキャストップ(敷板+アクリル板)
② ニュースーパーインシュ(インシュレーター+アクリルカップ)
③ 学校用のピアノガード(敷板+背面の支え棒)
※これらについては、後ほどご紹介します。
大地震の時のピアノの挙動は?
この耐震試験の動画を見ると分かりますが、大地震の時のピアノの挙動は以下のような状態でした。

アップライトピアノは、後ろに倒れ、背後の壁にぶつかって跳ね返り、前に倒れて寝ていた人を押し潰していました。

また、実際の震災時のピアノの被災写真も多数紹介されていますが、どれも激しく転倒したり、壊れたりしていました。

グランドピアノは、脚が折れて倒れたり、部屋の中を移動して壁にぶつかって、その衝撃で壁に穴が空いたりしていまいました。
ピアノメーカーのホームページで確認する
大地震時のピアノの挙動について、ピアノメーカーはどう認識しているのでしょうか。
ヤマハのホームページには、「アップライトピアノの留意点」として、地震時の挙動について以下のようにまとめられています。
アップライトピアノの留意点
●震度5を越えると、転倒の可能性が高くなります。
●ピアノの重心が後ろ側にあるため、そのままだと後ろ方向に転倒しやすくなります。 ⇒ピアノのロッキング(ゆれる)運動
●設置条件でピアノの背面に壁などがある場合は、ピアノがいったん後ろ方向に傾き、壁に当たった反動で前方向に倒れるという現象が起きます。
●一般の敷板、インシュレーターからピアノのキャスターがはずれると、転倒しやすくなります。
●ピアノを構造物に固定する方法は、ピアノの重量(250kg位)、建造物自身の強度・構造によって設置が難しい場合があります。
ヤマハホームページより引用

ヤマハの認識は、耐震試験の動画の様子と一致していますね。
ピアノメーカー推奨の転倒防止器具
大地震の揺れでピアノがどうなるか大体分かったら、早速、対策を考えましょう。
「餅は餅屋に聞け」ということで、まずは、ピアノメーカーの推奨する転倒防止器具を見てみましょう。
なお、ほとんどの方は、ヤマハかカワイのピアノを使っていると思いますので、ここでは、この2社についてご紹介します。
ヤマハの推奨品
(1)ソリ式 ピアノ転倒防止器具 (ヤマハのアップライトピアノ専用)

ヤマハでは、アップライトピアノ専用の「ソリ式 ピアノ転倒防止器具」を販売しています。
「ソリ式」の「ソリ」というのは、雪の上を滑るあの「ソリ」のことですね。

ピアノの脚にソリ(敷板)を履かせておき、地震でピアノが揺れた時には、揺れに合わせて床を滑ることで、転倒を防ぐ方式です。

こちらは、敷板とピアノの脚を、金具とネジ(8本×脚4本=32本)でガッチリ固定しますので、大きな地震でも外れる心配はなく安心です。
しかし、ピアノの脚にネジ穴がたくさん(8個)開きますので、少々気になりますね。
なお、こちらは、ヤマハでしか買えませんので、ご希望であれば問い合わせてみましょう。
ピアノ転倒防止器具
希望小売価格:55,000円(税込)
標準取付費用:27,500円(税込)※出張料、設置場所の移動などの費用は含まれていません。
ヤマハでは、グランドピアノ用の推奨品はありませんので、以下(カワイの推奨品を含む)を参考に市販の商品を検討しましょう。
カワイの推奨品
(1)ピアノ地震転倒防止器具(カワイのアップライトピアノ専用)


出典:カワイ
こちらは、カワイのアップライトピアノ用の地震転倒防止器具です。
ヤマハと同じソリ式の器具で、ピアノの脚に敷板を金具でネジ止めするタイプです。
これをピアノの脚に履かせておくことで、外れることなく、地震の揺れによる転倒を防止します。
こちらは、カワイの自社開発商品で、市販されていませんので、カワイで購入する必要があります。
ピアノ地震転倒防止器具
77,000円(税込)
(2)スーパーセーフティーインシュ

カワイは、市販のスーパーセーフティインシュを推奨しています。
こちらは、アップライトピアノ用とグランドピアノ用があり、色は黒と茶から選べます。




(3)スーパーピアノストップ ダブルキャスター用 グランドピアノ用

カワイは、スーパーピアノストップ ダブルキャスター用 グランドピアノ用も推奨しています。
こちらは、色は黒のみで、カワイ用の他、ヤマハ用もあります。


(4)スーパーピアノストップ ダブルキャスター用 アップライトピアノ用

こちらは、アップライトピアノ用もありますので、合わせて載せておきます。
カワイはアップライトピアノの上位機種でもダブルキャスターを使っていますね。(ヤマハのアップライトピアノはシングルキャスターです。)
こちらは、「スーパーピアノストップ ダブルキャスター用」(前輪)に、「スーパーセーフティーインシュ」(後輪)がセットになった商品です。

(5)スーパーピアノストップ アップライトピアノ用

こちらは、スーパーピアノストップのアップライトピアノ用です。
同じ物が4個セットになっています。


【補足①】メーカー毎のダブルキャスターの違い
ピアノの脚のキャスターは、シングルキャスターとダブルキャスターがあります。

また、ダブルキャスターは、ヤマハとカワイでサイズが違います。

そのため、スーパーピアノストップの穴も違いますので、注意しましょう。
お使いの ピアノの脚の キャスター数 | スーパー ピアノストップの種別 | ピアノメーカー区別 |
---|---|---|
シングル(1つ) | ・GP用 ・UP用 | なし(共通) |
ダブル(2つ) | ダブルキャスター用 | ・ヤマハ用 ・カワイ用 |
【補足②】自分で作業するならピアノ用リフター(ジャッキ)がおすすめ


ピアノの転倒防止器具を取り付けるには、ピアノを一旦持ち上げて、転倒防止器具を付けたら下ろす必要があります。
アップライトピアノでも、通常200kg〜250kgはあるので、力に自信のある方なら持ち上げられなくはないですが、腰を痛めないよう注意が必要です。
業者に依頼するか自分で作業するかになりますが、自分でされる場合には、こちらのピアノ用のリフター(ジャッキ)の利用がおすすめです。
テコの原理で、力に自信の無い方でも楽々ピアノを持ち上げられますよ。

ピアノメーカーは、自社のソリ式の敷板か、市販のインシュレーター推しですね。
電子(デジタル)ピアノの転倒防止器具
電子ピアノに付属の転倒防止金具とは?
近年は電子ピアノが人気で、国内外のメーカーから、様々な機種が販売されていますね。
例えば、こんな感じで、バリエーションは無限大です。笑↓






このうち、最初の2つのような家具仕様の箱型モデルの場合は、機種毎に専用の「転倒防止金具」が付属しています。
例えばこんなモノで、奥行き5cm〜10cmの金具が多くなっています。↓

実物(CASIO、Roland)はこんな感じ。↓


ただ、これは、演奏の際にピアノの後ろ側へ倒れないようにするもので、地震に対する転倒防止用という訳ではありません。
ローランドのQ&Aにはこんな回答が掲載されています。↓

なので、箱型の電子ピアノメーカーからは、地震対策用の転倒防止金具の推奨品は出ていません。
それ以外の電子ピアノは言うまでもなく、専用の転倒防止器具はありません。
そこで、ここでは、様々な電子ピアノに使える市販の転倒防止器具をご紹介します。
電子ピアノに似た楽器にヤマハのエレクトーンなどの電子オルガンがありますが、条件さえ合えば、以下でご紹介する転倒防止器具が同様に使えます。

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電子ピアノ用の転倒防止ベルト(壁固定タイプ)ピアノガード(PG-30/30V)


こちらは、ピアノガード PG-30V(アップライトピアノ&電子ピアノ用)粘着タイプで、ベルトタイプの転倒防止器具です。
プレートをビス固定するタイプのPG-30はこちら。↓

なお、電子ピアノだけでなく、アップライトピアノでも使えます(グランドピアノでは使えません)。

こちらは、ピアノ背面の丈夫な壁にプレートを粘着固定(PG-30はビス固定)し、幅50mmの長いベルトでピアノを前面から抱え込むように固定します。
ベルトの取り付け方は簡単で、ピアノ背面のプレートに繋がったベルトをバックルに通して締め付けるだけです。
地震で揺れても、ピアノを背面の丈夫な壁に縛り付けてあることで、前側に暴走したり倒れたりすることを防ぎます。
耐震実験にて、震度6強にも耐えられることが実証されています。
単独で使用するものですが、アップライトピアノなら、敷板タイプやインシュレーターとの併用すると、より安全性が高まるのでおすすめです。
こちらのメリット・デメリットは以下のようです。
メリット | ・お値打ち ・ピアノに傷をつけない ・粘着タイプ:壁にも傷がつかない |
デメリット | ・ベルトが少々目立つ ・小さい子供が足で遊んだりするかも ・ビス固定タイプ:設置が面倒で壁にネジ穴が開く |
電子ピアノ用の転倒防止器具(床固定タイプ)デジタルピアノストッパー


こちらは、デジタルピアノストッパーです。
電子ピアノ用の転倒防止器具で床に固定するタイプです。
電子ピアノはアップライトピアノなどより軽いので、比較的簡易な器具となっています。

L字金具の両面に耐震粘着マットが付いていて、電子ピアノと床を固定します。
床面がフローリングなど固くて粘着マットがくっ付くタイプである必要があります。
購入前に、お使いのピアノに取り付け可能か、商品販売ページにて確認しましょう。
電子ピアノに使える転倒防止ワイヤー(壁固定の汎用品)リンクストッパー(リング連結)


こちらは、リンクストッパーです。
汎用品の転倒防止ワイヤーですが、箱型の電子ピアノや、脚がフレームやスタンド型の電子ピアノに使えます。

こちらの商品、耐荷重は300kgなので、電子ピアノにも余裕ですね。

家具のような箱型の電子ピアノなら、ピアノの背面と背後の壁に金具を取り付けてワイヤーで連結します。(上図右相当)
電子ピアノの脚が細い木製フレームやメタルパイプ製のスタンド型の場合は、ワイヤーの長さが届くなら、脚に巻きつけて壁に固定できます。(上図左相当)
なお、電子ピアノの章の冒頭で述べたように、箱型の電子ピアノの背面下部には、通常、付属の転倒防止金具が付いていて、壁との間に10cm程度の空間ができます。
これは、電子ピアノの鍵盤蓋を壁側に倒して、楽譜置きとして使えるようにするために必要な空間でもあります。
また、本記事の最初に見たように、地震対策上、ピアノが壁側に倒れてぶつかって跳ね返り、前面に転倒することを防ぐためにも、間隔は10cm程度開ける事が推奨されています。

しかし、こちらのワイヤーの長さは約25cmあるので、ピアノと背後の壁との間隔を10cm程度開けたまま設置できます。
とはいえ、こちらのワイヤーが取り付けられるか、お待ちのピアノや設置場所の状態を良く確認しましょう。
電子ピアノに使える転倒防止ワイヤー(壁固定の汎用品)リンクストッパー(ストレート連結)


こちらは、リンクストッパーのワイヤータイプで、ストレート連結タイプです。
ワイヤーは目立たないので、見た目スッキリですね。

耐荷重は200kgで、ワイヤーの長さは250mmなので、壁からピアノまでの距離が遠い場合でも使用できます。

金具の根元の突起部を押し込むとワイヤーロックが緩むので、ワイヤーの取り付け長さを調整したり、ワイヤーを取り外したり出来ます。

壁側の金具とピアノ側の金具の取り付け位置がねじれていても連結可能です。
箱型の電子ピアノなら一般の家具と同様に取り付け出来ます。
スタンドやフレーム型の電子ピアノは、材質が木製なら金具をネジ止めして、壁側の金具と連結できます。
なお、スタンドの上にキーボードを載せる機種は、双方が一体化していないと、スタンドを壁に固定していても、地震の揺れでキーボードが落下してしまいます。
なので、スタンド付属の器具等でしっかり固定した上で、転倒防止対策をしておきましょう。
電子ピアノに使える転倒防止ベルト(壁固定の汎用品)ビヨンタ


こちらは、リンテック21の家具転倒防止ベルトのビヨンタです。
リンテック21というのは、防災用品の専門メーカーとして有名な会社ですね。(ゴムベルトにも印字されていますね)

こちらは、家具と壁の間をゴムベルトで連結するので、電子ピアノや冷蔵庫など家具が壁から離れている場合に使えます。

壁と電子ピアノに接着パッドを貼り付けて、ゴムベルトで連結するので、電子ピアノや壁にネジ穴を開けたくない!という場合に有効です。

ゴムベルトの長さは190mm、耐震度は震度6強、対象物重量は160kgとなっているので、使えるかチェックしましょう。

しっかり接着しますが、取り外しも簡単なので安心です。

色は2種類あるので、電子ピアノやお部屋の雰囲気に合わせて選べますね。
電子ピアノに使える転倒防止ベルト(壁固定の汎用品)ティープレート ラック用 固定ベルト


こちらは、ティーエフサービスのティープレートラック用ベルトです。
ティーエフサービスというのは、家具の転倒防止器具を専門とする防災用品メーカーですね。
実は、最初にご紹介した「ピアノガード」もこちらの会社の製品です。笑

こちらは、「壁から最大1メートル離れた場合まで対応可能」なので、電子ピアノのスタンドがメタルパイプ製の場合や、木製でも細くてネジ止め出来ない場合で、かつ、壁からの距離が離れている場合に使えます。



色はホワイト、グレー、メタリックの3種類。

耐震試験済みで、震度6強まで耐えられます。

耐荷重は180kgなので、電子ピアノなら余裕ですね。
電子ピアノに使える転倒防止ベルト(壁固定の汎用品)ガムロックSB、LL


こちらは、アイディールブレインのガムロックSB(旧品番はTV)です。
アイディールブレインは、清水建設から分離独立した制振器具の会社で、家庭用の転倒防止器具としてガムロックシリーズを展開しています。
ガムロックSBは、ちょっと見にくいですが、パッケージに「電子ピアノ」の文字が見えますね。↑
一方、より強力なバージョンに、ガムロックLLがあります。
こちらは、「ピアノ対応」となっていで、アップライトピアノもOKです。
パッケージにアップライトピアノの写真とガムロックが見えますね。↓


どちらも、壁やピアノに傷を付けたくない場合に有効です。
なお、このような粘着タイプは、壁の状態により適用可否がありますので、事前によく確認しましょう。

電子ピアノは様々なタイプがありますが、奥行きが狭くて重心が高く倒れやすいので、ピアノに合った方法で壁に固定しておきたいですね。


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ワンランク上(改良型)のピアノ転倒防止器具
ピアノメーカー推奨品は、メーカー独自開発の敷板タイプか、従来型の防音&防振インシュレーターでした。
また、アコースティックピアノに限られ、電子ピアノ用の推奨品はありませんでした。
しかし、ピアノ転倒防止器具はこれ以外のタイプもあります。
また、日々改良が加えられ、より安全性が向上しています。
そこで、以下では、タイプ別に、ワンランク上の転倒防止器具を中心にご紹介します。
インシュレーターの改良型➀(安全ベルトを付けたタイプ)
フトーゴムD(FTG-D-UP)(アップライトピアノ用)


こちらは、フトーゴムD(FTG-D-UP)(アップライトピアノ用)で、従来のインシュレーターの改良型です。
こちらは、インシュレーターに安全ベルトが付いていて、ピアノの前輪に固定しますので、地震の揺れでも脱輪しないように工夫されています。

ピアノの前輪の隙間に安全ベルトを通し、インシュレーターの両側にビス固定するので脱輪しません。

さらに、ピアノが前に倒れそうになった時にぐっと踏ん張れるように、前輪用のインシュレーターの底面サイズは後輪用より1cm大きく作られています。
詳しい使用条件は、販売ページで確認しておきましょう。
フトーゴムD(FTG-D-GP)(グランドピアノ用)


こちらは、フトーゴムD(FTG-D-GP)のグランドピアノ用です。
機能的にはアップライトピアノ用と同じです。
グランドピアノ用は3個セットで、3つとも安全ベルトでキャスターに固定します。
【補足】アップライトピアノ用ジャッキのレンタルあり


メリーネットでは、インシュレーター購入特典として、ピアノ用のジャッキの「レンタル」があります。
取り付け時の一回だけしか使わないなら、購入しなくても済むので助かりますね。

耐震用のインシュレーターを付けるなら、安全ベルトが付いたタイプがおすすめです。
インシュレーターの改良型②(アクリル板を付けたタイプ)
ニュースーパーインシュ(NSP-UP)(アップライトピアノ用)【動画②】


こちらは、ニュースーパーインシュ(NSP-UP)(アップライトピアノ用)で、こちらも従来のインシュレーターの改良版です。
冒頭にご紹介した動画で耐震試験の結果が見れますよ。
こちらは、黒と白の円盤で、後輪に付ける白い方は、ドーナツ状のゴムにアクリルカップが載っています。

地震でピアノが前後に揺れると、後輪のアクリルカップが割れて、ピアノの後輪がドーナツ状のゴムの穴に落ち込むことで、前には倒れにくくなるように工夫されています。

なお、アクリルカップが割れた後は、交換部品が販売されていますので、取り替えて再利用できます。
また、こちらは洋室専用で、和室では使えません。(畳が柔らかくて衝撃を吸収してしまうため)
その他の使用条件は、販売ページで事前に確認しておきましょう。
ソリ式の敷板タイプの改良型➀(アクリル板を付けたタイプ)
ニューキャストップ NCP-UP(アップライトピアノ用)【動画①】


こちらは、ニューキャストップ(NCP-UP)(アップライトピアノ用)です。(グランドピアノ不可)
冒頭にご紹介したYouTubeの動画で、耐震試験の様子が見れます。
ソリ式の敷板の後ろ脚の部分にアクリル板を付け、振動でアクリル板が割れるように工夫されています。

白くて丸いアクリル板の付いた方をピアノの後ろ側(上図の左側)にして、ピアノの脚の下に敷いて設置します。
地震の揺れで敷板が滑ることと、白いアクリル板が割れて板に空けてある穴に脚が落ち、ピアノが後ろに傾き、前に倒れにくくなっています。
アクリル板が割れた後は、交換用のアクリル板が販売されていますので、取り替えて再利用できます。
こちはら、長い敷板が硬くて丈夫なので、和室、洋室とも使えます。
なお、使えるピアノの重量、キャスターのサイズなどの諸条件がありますので、購入前に販売ページで確認しましょう。
【補足】ピアノ専用リフター(ジャッキ)のレンタルあり


ショップ「its a beautiful music」でも、購入者限定特典として、ピアノ専用のジャッキのレンタルも利用できるので安心です。
ソリ式の敷板タイプの改良型②(支え棒を追加したタイプ)
ピアノガード(学校・保育園・幼稚園用)(アップライトピアノ用)【動画③】


こちらは、学校用のピアノガード(アップライトピアノ用)です。
冒頭にご紹介した動画で、その効果が確認できますね。
ピアノに敷板を付けるとともに、ピアノの背面に頑丈な「支え棒」を付けた器具です。
学校・保育園・幼稚園では、背後に壁がある所にピアノを設置しているとは限りませんね。
こちらは、壁や床には固定しないので、地震の揺れに合わせてピアノが滑り動き、後ろへの転倒も支え棒で防止する仕組みです。
なお、こちらも設置条件など、詳細は販売ページで確認しましょう。
【補足】ピアノ専用リフター(ジャッキ)のレンタルあり
こちらも、ショップ「its a beautiful music」のため、ピアノ専用のジャッキのレンタルも利用できます。

正直、地震対策としてはコレが最強ですが、お値段も最強です。(笑)
ピアノの転倒防止グッズの選び方
(1)ピアノの状態を確認する
まず初めに、お使いのピアノについて、以下の項目を確認してください。
✔︎ メーカー
✔︎ ピアノ種別
✔︎ ピアノの機種
✔︎ キャスターのタイプ
✔︎ ピアノの色
✔︎ ピアノのある部屋の状況
順番に説明しますね。
メーカー
メーカーは、ピアノに書かれているロゴから、ヤマハやカワイなどを確認します。
その他のメーカーでも使える商品も多いので、まずは確認しましょう。
ピアノ種別
グランドピアノ、アップライトピアノ、電子(デジタル)ピアノの種別です。
ピアノの機種
ピアノの機種名です。
XX-YY等、アルファベットや数字の組み合わせで型番が付いていますので、確認しておきましょう。
キャスターのタイプ
デジタルピアノに比べ、アコースティックピアノ(アップライトピアノとグランドピアノ)は非常に重いため、移動がしやすいように、脚にキャスターが付いています。
ピアノの機種により、シンプルなシングルキャスターを採用している物と、豪華なダブルキャスターを採用している物がありますので、確認しましょう。
ピアノの色
ピアノは芸術品でもあるため、色やデザインは様々な物がありますが、ここでは、あまり詳しい情報は必要ありません。
転倒防止器具は黒と茶色の物が販売されていますので、どちらがよりマッチするか判断できるように、黒系か茶色系かを確認してください。
ピアノのある部屋の状況
ピアノを設置するお部屋の状況を確認しましょう。
具体的には、
✔︎ ピアノを置く部屋は洋室か和室か
✔︎ 洋室なら、床がフローリングの板間か、その上に絨毯を敷いてあるか
✔︎ 和室なら畳のみか、その上に絨毯を敷いあるか
✔︎ アップライトピアノを壁を背にして置くなら、背面の壁の強度は十分か
などを確認しましょう。
床は固い方が地震の揺れで転倒はしにくく、使える転倒防止器具の幅も広がりますので、確認しましょう。
(2)転倒防止器具を選ぶ
続いて、転倒防止器具を選びます。
既にご紹介したように、ピアノ転倒防止器具は、主に以下の5つのタイプに分類できます。
➀インシュレーター(受け皿)
②敷板(ソリ式)
③敷板と背面の支え棒(学校用)
④ベルト
⑤L字金具と粘着マット
お使いのピアノの各種条件で使える商品を選び、転倒防止機能を勘案して決めましょう。
アップライトピアノ
アップライトピアノには、➀インシュレーター、②敷板、③敷板と背面の支え棒、④ベルトが適用できますので、お好みで選べます。
グランドピアノ
グランドピアノには➀インシュレーターしか使えません。
電子(デジタル)ピアノ
電子(デジタル)ピアノには、④ベルト、⑤L字金具と粘着マットが使えますが、④は壁が丈夫な場合、⑤は床がフローリングの場合に使えます。
選定時の注意点
それぞれの製品に適用条件がありますので、お使いのピアノやお部屋の状態に合った物を選びましょう。
なお、不明な点は、購入前に、ピアノメーカーや転倒防止器具の販売店で確認しましよう。
(3)転倒防止器具を設置する
先にも簡単にご紹介しましたが、ピアノ転倒防止器具は、重いピアノの脚の下に取り付けるので、設置作業をどうするかも考えておく必要があります。
一般的には、専門業者である、ピアノメーカー、ピアノ販売店、ピアノ運送業者、調律師などに依頼するのがおすすめです(10,000円程度は必要です)。
自分でできないかと思いますが、ピアノは非常に重いので、絶対に無理は禁物です!腰を痛めてしまったり、ピアノを傷つけてしまっては元も子もありません。
「昔使っていたピアノのだから、今となってはピアノ業者さんとの繋がりがない!」という方もいらっしゃるでしょう。
そういう場合は、以下のサービスでお近くの優良業者さんを紹介してもらうことをおすすめします。日本全国OKで、相談無料なので安心ですね。
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しかし、どうしてもご自分でやりたい方は、リフター(ジャッキ)や角材などの道具を用意して、安全に気をつけて作業しても良いでしょう。
その際は、なるべく2人以上で作業されることをおすすめします。
参考になりそうな動画がYouTubeにありましたので、載せておきます。
ピアノ転倒防止器具の販売店では、リフターを販売していたり、購入者限定でレンタルしたりしているところもありますので、上手に活用したいですね。
まとめ
この記事では、ピアノの転倒防止器具について、おすすめ商品と選び方をご紹介しました。
ピアノは家の中にある物の中では特殊なため、なかなか転倒防止対策ができていない方も多いと思います。
しかし、一般的な家具に比べて重さが桁違いなので、一たび地震が起こると、凶器に変わります。
本記事では、色々なケースに対応できるように、様々なタイプのピアノ用の転倒防止器具をご紹介しました。
地震はいつ起こるか分かりませんので、ここで紹介した器具を参考に、早めの対策をおすすめします。
この記事が、少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。m(_ _)m
♢♢♢
地震の時はもちろん、普段から小さなお子様がピアノの鍵盤蓋で指を挟んでケガをしないかヒヤヒヤされている方は、こちらも参考にしてください。
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